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「意外と知らない熱中症のメカニズム」

「City Mate」

親と子のふれあい情報誌「City Mate」203号(H24.8.20発行)に掲載した記事をご紹介します。

 

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

最近は日中35度を越える日が続き、熱中症で搬送される人が増えています。皮膚は表面からの直接放散と発汗により体温を下げていますが、気温が体温より高くなると、放散のメカニズムが機能しなくなり、発汗だけに頼ることになります。

発汗は脱水と塩分不足を導いて熱中症を進行させ、さらに多湿では発汗さえ出来なくなります。大事なことは、重篤な痙攣や意識障害を起こす前に熱中症を疑うことです。倦怠感、頭重感、頭痛、嘔気などの症状が出たら作業や運動を中断、体を冷やし、塩分を含む水分(スポーツドリンクや点滴)を補給しましょう。

 

「男性型脱毛症とは?」

「City Mate」

親と子のふれあい情報誌「City Mate」191号(H23.8.19発行)に掲載した記事をご紹介します。

 

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

CMでよく使われているAGAとは「男性型脱毛症」を表します。男性の思春期以降には、まず前額部や頭頂部から遺伝や男性ホルモンの影響で、徐々に髪の毛が減少し始めるのです。

当院で使用しているプロペシアという飲み薬は、男性ホルモンが実際に働く活性型に変化するのをブロックするお薬です。6ヶ月以上継続服用すると、現状維持も含めて9割以上の方に効果を認めます。

AGAは放置すると必ず進行します。

1日1錠!併用療法や食生活、副作用や値段の相談も含めて、まずはご連絡下さいね!

 

「男性の平均寿命が短いのは何故?」

親と子のふれあい情報誌「City Mate」(H24.2.1発行)に掲載した記事をご紹介します。※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

日本が世界の長寿国になって久しいですが、それを引っ張っているのは女性であり、男性の平均寿命は女性よりもずっと短いのです。

この原因として、実は男性における男性ホルモン値が年齢と共に下がって行くことが老化を進めていることに注目が集まっています。因みに女性は50歳を過ぎると男性ホルモン値が上がります。

また、命に関わらないまでも40歳が過ぎて疲れ易い、だるい、鬱っぽい、EDなどの症状は男性ホルモンの低下によるLOH症候群(男性更年期障害)の可能性があります。男性の皆さん!頑張って下さい!

往診鞄№23 「過活動膀胱」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」262号(H25.3.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

過活動膀胱とは男女問わず、頻尿や尿意切迫感、切迫性尿失禁をきたす病気です。尿意切迫感とは急に尿意をもよおしてがまんできない。切迫性尿失禁とは我慢できずに漏れてしまうことです。実は40歳以上の8人に1人が、過活動性膀胱があることがわかってきました。男性の場合、前立腺肥大症が併存する場合があります。原因としては神経因性過活動膀胱(脳や脊髄の障害)、非神経因性過活動膀胱(前立腺肥大症や骨盤低筋の障害、その他)に分けられます。治療方法としては行動療法や薬物療法があります。行動療法には頻尿に対する膀胱訓練・・尿意を我慢する訓練を、短い時間から始めて少しずつ時間を延ばしていきます。切迫性尿失禁に対しては骨盤低筋体操・・肛門を閉めたり緩めたりを繰り返し、徐々に時間を延ばしていきます。他には下半身を冷やさない、便秘やアルコール、カフェインを避ける等が挙げられます。ただし、前立腺肥大のある方はまず前立腺肥大の治療を行い、効果不十分のときに過活動膀胱の治療を考えるべきです。場合によってはいきなりの膀胱訓練は前立腺肥大の症状を悪化させることもあります。また、薬物療法はこれまで抗コリン作動薬が中心でしたが、新たにβ3刺激薬が治療の選択肢に加わり、治療に少しはばが広がりました。まだまだ寒い日が続きますが、思い当たる方は一度相談してみて下さいね!

往診鞄№22 「脂肪肝」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」260号(H25.1.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

健康診断や人間ドックを受けると、脂肪肝と言われた人がいらっしゃると思います。特に中若年層を中心に脂肪肝は増加しています。原因は過食や飲酒により、肥満(皮下脂肪や体内脂肪)だけではなく、さらに肝臓に脂肪分が付着している状態です。アルコールの飲みすぎでも脂肪分の付着は促進されます。一般には脂肪分が肝臓全体の5%を超えた場合に脂肪肝と定義されます。男性が多く、特にアルコールが原因の場合は、肝硬変へと進むこともあります。また、最近ではアルコールを摂取しない人でも脂肪肝から肝硬変、場合によっては肝臓ガンへ進行していくことが知られています。非アルコール性脂肪肝(NASH)と呼ばれています。原因は急激なダイエットとリバウンドです。つまり、脂肪肝の予防や治療には肥満に対するダイエットが必要ではありますが、偏ったダイエットではなく、バランスの良い食事が必要となります。適度な運動は言うまでもありません。
検診の結果で脂肪肝と書かれていなくても、ALT(GPT)が優位に上昇していれば要注意です。腹部エコーによる脂肪肝の判定を受けて下さい。脂肪肝に対する治療はウルソデオキシコール酸やタウリンなどが挙げられますが、根本的な高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病などの治療が重要なことは言うまでもありません。気になる方は一度御相談下さい。

往診鞄№21 「便秘には種類があるって知ってましたか?」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」258号(H24.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 便秘には種類があるって知ってましたか?最も多い弛緩性便秘、直腸に問題のある直腸性便秘、ストレス等が原因の痙攣性便秘、その混合型などがあります。どんなタイプでも共通の解決策としてトイレに行く時間を決める、水分をしっかり摂る、善玉菌を増やす、食物繊維を摂るなどがありますが、それでも効果の出ない場合、タイプによる原因にあった薬剤の選択が必要です。弛緩性便秘は大腸全体の運動と緊張が低下して、便の通過がゆっくりになり、水分の過吸収により起こります。非水溶性の食物繊維(コンニャクや海藻類)や酸化マグネシウム、大腸を刺激する少量の漢方などが有効です。直腸性便秘は、トイレを我慢したり、食事を不規則に摂ったり、便秘薬を不用意に常習したりが原因となって主に直腸に便が溜まります。生活習慣を改善することは言うまでもありませんが、一般的な刺激性の下剤は逆効果になることも多いです。酸化マグネシウムや排便を促す座薬などは比較的効果があります。ストレスによる痙攣性便秘は便秘型の過敏性腸症候群の一症状と考えられ、自律神経に作用する薬が適しています。また、一般的にはセンナ系の下剤は良く効くために多く使われていますが、長期的には耐性や薬剤による便秘の可能性があります。悩まれている方はご相談下さいね。

往診鞄№20 「コレステロールや中性脂肪が高い方」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」256号(H24.9.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 特にコレステロールや中性脂肪が高い方は、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる動脈硬化が自分にどの程度起こっているか知りたいという方は多いと思います。動脈硬化の程度を調べるには、血液検査による動脈硬化指数、CAVI(心臓足首動脈硬化指数)測定などがありますが、やはり頸動脈エコーは実際に頸動脈の分厚さや血流の低下、血管内プラークの存在などが目に見えるためにインパクトがあります。なぜ頸動脈なのか?については頸動脈が表面近くにあってエコーで見やすいこと、脳の手前の血管であり脳血管の変化に近いと考えられること、頸動脈の動脈硬化の程度は全身の動脈硬化の程度に比例することがわかっていることなどが挙げられます。実際の検査は首にゼリーを塗って、10分程度エコーで観察するだけです。もちろん痛みは伴いません。血管の厚さの指標であるIMT(内膜中膜複合体厚)は正常値が1.1mm以下ですが、1.3mmを超えると脳梗塞や心筋梗塞(狭心症)の将来の可能性が高くなると言われています。コレステロールや中性脂肪が高いと言われても運動や食事療法が3日坊主な方、薬を飲んでもなかなか下がらない方、一度受けて見られては如何ですか?当院では電話でもご予約を受け付けています。

「人間ドックの半額(上限2万円)助成開始」

親と子のふれあい情報誌「City Mate」(H24.5.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 三田市在住の国民健康保険に加入される40歳以上の方は、特定健康診断を無料で受けられますが、さらに詳細な人間ドック料金の半額が助成されます。(特定健康診断と人間ドックの両方は不可)
■Aコース(8000円)
身体+体重+血圧+視力+体脂肪率+尿検査+心電図+胸部レントゲン+血液検査+便検査
■Bコース(11000円)
Aコース+腹部エコー+骨年齢測定+肺年齢測定+血管年齢測定
■Cコース(21000円)
Bコース+胃カメラ
※各種オプション検査も追加可能。希望の方は必ずご予約お願い致します。

「寒さのせいだけではないかも?」

親と子のふれあい情報誌「City Mate」(H23.12.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 急激に寒くなりましたが、皆様いかがお過ごしですか?寒くなると気になるのが、おしっこの症状ですね!
●尿の回数がやたら多い
●急にトイレに行きたくなって我慢ができない
●我慢できずに漏れてしまう
などの症状があれば、過活動膀胱(かかつどうぼうこう)の可能性があり、お薬でかなり改善することが多いです。
 年のせいとか気温のせいとか決めつけないで、他の病気(膀胱炎、前立腺肥大症など)との鑑別も含めて、ぜひ相談して下さいね!