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往診鞄№14 「機能性ディスペプシアとは?」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」244号(H23.9.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 胃のもたれや不快感、痛みがあっても、内視鏡検査で異常がないことがままあります。こんな症状が長期に及ぶ場合、医学的には機能性ディスペプシアと呼ばれています。症状があって内視鏡を受けた患者さまの中で、約半数に上る人に実は異常がないという報告もあり、機能性ディスペプシアは意外に多いともされています。昔に検査では異常がなく、「胃下垂ですね」と言われた人も実はかなりの人がこれに当てはまるとも言われています。タイプとしては食後愁訴症候群(胃もたれ)、心窩部痛症候群(胃の痛み)などがあります。治療方法としては消化管の動きを促進する薬や酸分泌を抑える薬に効果があるとされますが、不眠や他の症状を合併していることが多く、症状に応じた治療も重要とされます。漢方などが著効することもあります。また、胃の症状がある患者さまの中で半分の方には異常がないと言っても、半分の方には異常が見つかるわけですから、内視鏡検査が重要であることに変わりはありません。また、ディスペプシアの患者さまで、内視鏡の結果に異常がないと聞くと症状が消失する方がいらっしゃることも、内視鏡の一つのメリットとも言えます。長期に渡って胃の症状でお悩みの方、一度御相談ください。