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「往診鞄 №27」 インフルエンザ

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」270号

(H25.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

 

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 

風邪とインフルエンザは特徴が異なります。風邪は咽頭痛や鼻水、咳などの上気道炎症状が中心ですが、インフルエンザは数日の潜伏期間の後、急激に発症する高熱や全身筋肉痛などが中心です。気管支炎や肺炎を合併しやすく、脳炎や心不全を起こす場合もあります。特に高齢者は注意が必要です。

インフルエンザの予防に効果があるのがワクチン接種です。流行を迎える前の10月から11月の接種がお勧めです。インフルエンザワクチンは、13歳未満は2から4週間の間隔をおいて2回接種。13歳から64歳は原則1回ですが、基礎疾患のある方や健康状態が万全でない方は効果の高い2回打ちをお勧めします。1回打ちでは約70%、2回打ちでは約90%の予防効果があるとされます。65歳以上の高齢者やインフルエンザにかかった既往がある人なら、1回の接種でも十分な効果があるとされています。接種後に効果が発現するのは約2週間後。その効果は諸説ありますが、約5ヶ月間もつとされています。

また、家族内に感染者が出てしまった場合には、タミフルやリレンザの予防投与という手段もあります。予防の場合は普段の投与方法とは少し異なります。但し、残念ながらこの方法は保険の適応にはなりません。予防接種がまだの方は今が時期ですよ。