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往診鞄 №19 「人間ドック半額助成」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」254号(H24.7.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 三田市在住の国民健康保険に加入される40歳以上の方は、現在、特定健康診断を無料で受けられますが、さらに詳細な人間ドックを希望する場合、左記の料金の半額が市から助成されます。但し、人間ドックの結果の一部は市へ報告されます(特定健康診断と人間ドックの両方は受けられません)。
●Aコース(8000円)
身体計測+尿検査+血圧+心電図+胸部レントゲン+血液検査+便検査
(所要時間約1時間)
●Bコース(11000円)
Aコース+腹部エコー+骨年齢測定+肺年齢測定+血管年齢測定
(所要時間約1時間30分)
●Cコース(21000円)
Bコース+胃カメラ
(所要時間約2時間)
※腫瘍マーカー等の各種オプション検査も追加可能です。最近メタボが心配だけれど、しばらく検査をしていない方、人間ドックを受けたいけれど、値段が心配という方、忙しくて時間がない方などはお勧めです。
 また、希望の方は、当院へお電話でご予約の上、三田市国保医療課の窓口にて助成券を発行して頂き、当日助成券を持参して下さい。

往診鞄 №18 「睡眠時無呼吸症候群」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」252号(H24.5.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 睡眠が妨げられる原因として最近、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が注目されています。睡眠中に呼吸をしていないと家族から指摘されることが多く、自覚症状としては、いびき、日中の眠気、頭痛やインポテンツなどがあります。無呼吸の状態とは、呼吸が10秒以上止まっていることを示し、この状態が7時間に30回以上、または、1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断となります。SASを放置すると、睡眠中に低酸素状態に曝されているわけですから、二次的に高血圧や糖尿病、脳卒中や虚血性心疾患につながります。
 診断は終夜ポリグラフィーという装置で無呼吸指数を算出して行います。当院では入院せずに簡易的に在宅で検査を行うことができます。診断後に軽症の場合は、減量や生活習慣の改良、マウスピースなどで症状が改善することもあります。しかし、中等度以上のSASにはCPAPと呼ばれる装置が適応になります。睡眠中は機械につながったマスクを装着頂き、呼吸が止まるとマスクへ送気されます。月に一回、機械からデータカードを取り出して持参頂き、専用のソフトで呼吸状態を解析します。昼間の異常な眠気やいびきがうるさいと言われる方、一度受診されても良いかも知れませんね。

半日人間ドックの料金半額(上限2万円まで)助成が始まりました。(予約必要)

三田市にお住まいで国民健康保険または後期高齢者医療保険に加入の40歳以上の方は、現在特定健康診断を無料で実施しておりますが、特定健康診断受診対象者の方で、さらに詳しく健康診断をしたい方のために、特定健康診断の代わりに4月1日より半日人間ドックの料金の半額(上限2万円まで)を三田市が助成する運びとなりました。
特定健康診断では、身体測定+血圧+血中脂質検査+肝機能検査+血糖検査+尿検査で、判定基準を超えている方のみ心電図+眼底検査、貧血の既往歴のある方または診察で必要となった方は貧血検査がありました。
人間ドックでは、より詳細な健康診断が受けることができます。
半日人間ドックの内容
★Aコース・・・通常料金8000円
身長+体重+血圧+視力+体脂肪率+尿検査+心電図+胸部レントゲン+血液検査(貧血+肝機能+脂質代謝+糖代謝+腎機能+尿酸値)+便検査
★Bコース・・・通常料金11000円
Aコース+腹部エコー+骨年齢測定+肺年齢測定+血管年齢測定
★Cコース・・・通常料金21000円
Bコース+胃カメラ(鼻からも口からも可能です)
また、オプションとして、頚動脈エコー、甲状腺エコー、乳腺エコー+視触診、心エコー、腫瘍マーカー、ヘリコバクター・ピロリ検査などがありますので上限2万円を考慮した上で各コースにプラスすることも可能です。

いろんな検査を受けてみたい方は、当院にお電話にてご予約頂き、三田市国保医療課(079-559-5049)の窓口(7番)にて助成券を発行して、当日助成券持参でお越し下さいます様宜しくお願い致します。
※人間ドック受診結果は、特定健康診断の代わりとなりますので、三田市に報告することを了承して頂くことになります。また、特定健康診断との併用はできませんのでご了承下さい。
※助成券を発行した場合は、窓口での支払いが通常料金の半額を支払う形となります。
※助成券を発行しなかった場合は、一旦全額窓口にてお支払い頂き、受診結果の写しと領収書を三田市国保医療課に持参の上償還払いとなります。

ご不明な点は、お気軽にお電話下さい。

往診鞄 №17 「花粉症」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」250号(H24.3.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 今年も嫌な花粉症のシーズンに突入です。2月の上旬までは記録的な寒さの影響で、花粉の飛散は例年より抑えられていますが、その後は少しずつ寒さも緩み、2月後半からは兵庫県にも本格的な花粉の飛散が始まります。飛散量は、多いとされた昨年の半分程度と予想されていますが、それでも症状の原因となるには十分です。毎年悩まされている方はできれば症状が出る前に治療や生活改善を始めることが効果的です。
 日常生活で気をつけることは、偏った食事やインスタント食品、アルコールを避け、マスクを常用する、なるべく鼻で呼吸する、花粉対応の空気清浄機を使用する、外から帰ったら服に付着した花粉を徹底的に払い落とすなどが挙げられます。
 治療方法には症状に応じて、遊離抑制薬、第二世代抗ヒスタミン薬、Th2サイトカイン阻害薬、プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイドなどの内服薬から単独または組み合わせて使いますが、状況によっては点鼻薬や点眼薬なども組み合わせます。
 また、受験生の方など眠気が厳禁の場合には、漢方薬と点鼻、点眼薬を組み合わせることもできます。毎年悩まされている方は、一度相談してみて下さい。

往診鞄 №16 「インフルエンザ」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」248号(H24.1.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 インフルエンザの流行が兵庫県でも、年末頃より徐々に目立って来ています。但し、流行の推移は例年より遅めで、本格化するのは新年からと考えられます。
 今のところ、流行の中心は香港A型であり、新型は今年はほぼ指摘されていません。インフルエンザを発症する患者さんの多くは、中学生以下の子どもさんですが、インフルエンザによる死亡者のほとんどは65歳以上の高齢の方たちです。
 つまり、65歳以上の方は感染する頻度は低いですが、一度かかると怖いのです。特に肺炎球菌との混合感染は重症化することが知られています。
 うがい、マスクや加湿器、人混みを避けるなどと共に、特に高齢の方はインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを今からでも接種することをお勧めします。

往診鞄 №15 「ALTA注射とは?」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」246号(H23.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 最近、注射で痔を治す方法として、ALTA注射という方法が少しずつ知られてきています。適応は出血や脱出を伴う内痔核であり、痔に針を直接刺して薬を注入し、痔を固めてしまうという考え方です。昔からある硬化療法の進化版と考えて頂けばよいです。
 痔に直接針を刺すのって痛くないの?と思いがちですが、内痔核というのは直腸の粘膜の一部であり、痛みの神経が無いために、それほどでもないのです。さらに注射前には、肛門周囲に局所麻酔を使いますし、注入する薬自体にも麻酔薬が含まれています。また、薬はいい加減に注入するのではなく、痔を大きく4領域に分け、各々に少量ずつ薬を注入します。時間は注入後の薬液を拡げるためのマッサージを含めて20分間程度であり、そのまま家に帰って頂き、すぐに食事も摂って頂いて結構です。たまに注入後の痛みや出血がほんの一部の方に見られることがありますが、手術に比べれば軽微なものがほとんどです。また、内痔核以外にも、一部の外痔核や直腸脱にもALTA注射がうまくいくことがあります。
 長い間、おしりに悩んでいてもなかなか手術に踏み切れない、ずーっと座薬を使用しているなどの皆様、宜しければ一度御相談くださいね。

「慢性腎臓病(CKD)とは」

「City Mate」
親と子のふれあい情報誌「City Mate」193号(H23.10.14発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 最近、慢性腎臓病(CKD)という言葉がよく使われます。腎臓の機能低下が徐々に進む病気です。
 今、日本では8人に1人がCKDと言われており増加傾向にあります。進行すればむくみや倦怠感などが出ますが、初期には症状はありません。
 原因としては、肥満・喫煙・高血圧症・高脂血症・高尿酸血症などが挙げられます。特に高尿酸血症は痛風にならなくても、CKDを悪化させることが注目されています。治療は、早期発見+予防治療です。検診で血清クレアチニン値や糸球体濾過値・尿検査などでひっかかった方はぜひ相談して下さいね。

往診鞄№14 「機能性ディスペプシアとは?」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」244号(H23.9.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 胃のもたれや不快感、痛みがあっても、内視鏡検査で異常がないことがままあります。こんな症状が長期に及ぶ場合、医学的には機能性ディスペプシアと呼ばれています。症状があって内視鏡を受けた患者さまの中で、約半数に上る人に実は異常がないという報告もあり、機能性ディスペプシアは意外に多いともされています。昔に検査では異常がなく、「胃下垂ですね」と言われた人も実はかなりの人がこれに当てはまるとも言われています。タイプとしては食後愁訴症候群(胃もたれ)、心窩部痛症候群(胃の痛み)などがあります。治療方法としては消化管の動きを促進する薬や酸分泌を抑える薬に効果があるとされますが、不眠や他の症状を合併していることが多く、症状に応じた治療も重要とされます。漢方などが著効することもあります。また、胃の症状がある患者さまの中で半分の方には異常がないと言っても、半分の方には異常が見つかるわけですから、内視鏡検査が重要であることに変わりはありません。また、ディスペプシアの患者さまで、内視鏡の結果に異常がないと聞くと症状が消失する方がいらっしゃることも、内視鏡の一つのメリットとも言えます。長期に渡って胃の症状でお悩みの方、一度御相談ください。

往診鞄 №13 「比較的楽に受けられる経鼻内視鏡」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」242号(H23.7.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 日本における胃癌の患者さんは年々減少傾向にあります。しかし、胃癌による死亡数は、癌の中で依然男性では2位、女性では3位です。特に日本人に胃癌が多い理由としては塩分の取りすぎが挙げられます。和食は低脂肪で健康的ですが、塩分摂取量が多いことに要注意です。また、ヘリコバクターピロリ菌も胃癌の原因の一つです。発症リスクを高める原因の一つとなります。治療に関しては、早いステージで治療を始めるほど、生存率や治療成績も良くなります。
 たとえば、胃粘膜内におさまる癌はリンパ節転移の可能性が低く、EMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡処置だけで切除できることがあります。また、仮にもう少しステージが進んでいても、腫瘍の範囲やリンパ節転移の範囲が限られていれば、昔のように大きな傷をつけることなく腹腔鏡で手術を行うことも可能です。
 胃癌には特有の症状はありません。多くはただの胃炎や胃潰瘍と共通しています。また、初期にはほとんど症状はありません。以前より胃の症状が気になる方や、しばらく胃の検査を受けてない方!早め早めにぜひ、比較的楽に受けられる経鼻内視鏡をお勧めします!