カテゴリー別アーカイブ: 往診鞄

いまだ先生の往診鞄 №46

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」308号
(H29.1.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

~乳がん検査~
乳がんの検査には、視触診・超音波・マンモグラフィーなどがあります。視触診はしこりや変形を目視や触感で見つけるもので、簡単に安全に受けられますが検出率が低く見落としも多いために、マンモや超音波を併用させていくことが大切になります。但し、マンモは癌の石灰化した部分を見つけるのが得意であり、超音波はしこりをみつけるのが得意です。つまり、しこりを形成しないような癌はマンモで見つかることが多く、石灰化のない小さなしこりはエコーで見つかることが多いです。また、マンモは40歳以上の脂肪化したおっぱいはきれいに写真が撮れますが、まだ乳腺組織が残っている40歳以下のおっぱいや40歳すぎてもおっぱいが大きくてしっかりしている人には、エコーが威力を発揮します。もちろん両方施行すればさらに検出率は上がります。
 当院では経験豊富な超音波およびマンモグラフィーの女性スタッフが皆様の受診をお待ちしています。また、精密検査が必要と判断した場合などは、引き続き当院にて生検等の精査を勧めさせていただくか、即座にご希望の施設に紹介させていただきます。

いまだ先生の往診鞄 №45

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」306号
(H28.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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日本人の乳がん発症率は生活様式の欧米化に伴い年々増加傾向にあります。なんとこの30年で3倍、50年では5倍に増えているのです。特に好発年齢と言われる40歳代から50歳代だけでなく、若年層や高齢の方々に増えているのが特長です。
但し、現在欧米では発症率(新たに乳癌を患った人の割合)は依然増えていますが、死亡率(乳癌によって亡くなった人の割合)は減少傾向にあり、検診による早期発見が効果を出し始めています。
2cm以下で腋の下のリンパ節が腫れていない状態(ステージ1以下)で見つかれば、ほとんどの場合で治癒を期待できます。
ここで問題なのが、2cm以下のしこりを視触診だけで発見するのは難しいのです。やはり、マンモグラフィーや超音波検査を併用することがとても重要になります。
また、もうひとつの問題点は日本の女性の乳癌検診の受診率がとても低いのです。
当院では、女性技師による乳腺エコー検査の充実に注力しており、さらに今冬からはマンモグラフィーも御利用頂けるようになる予定です。皆様、ぜひご活用ください。

いまだ先生の往診鞄 №44

「TOWN LIFE」
くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」304号
(H28.9.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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乳がん検診 方法の種類と選択

乳がんの検診には、視触診・超音波・マンモグラフィーなどが挙げられます。視触診は明らかなしこりや変形を見つけるもので、誰でも簡単に安全に受けられますが、これだけでは検出率が低く、見落としも多く、今後はマンモや超音波を併用させていくことが必須となります。但し、マンモは癌の石灰化した部分を見つけるのが得意であり、超音波はしこりをみつけるのが得意です。つまり、しこりを形成しないような癌はマンモでしか見つからず、石灰化のない小さなしこりはエコーでしか見つかりません。また、マンモは40歳以上(アメリカでは45歳)の脂肪化したおっぱいは、きれいに写真が撮れますが、まだ乳腺組織が残っている40歳以下のおっぱいや40歳すぎてもおっぱいが大きくてしっかりしている人には、エコーが威力を発揮します。当院では女性技師を含めて、経験豊富な超音波スタッフが皆様の受診をお待ちしています。また、精密検査が必要と判断した場合、他の機器による検査が必要と判断した場合などは、引き続き当院にて生検等の精査を進めさせて頂くか、即座に有数の施設やご希望の施設に紹介させて頂きます。

いまだ先生の往診鞄 №43

「TOWN LIFE」
くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」302号
(H28.7.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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生活習慣病や肥満、脂っこい食事、運動不足、遺伝などによってコレステロールの代謝に支障が生じると、高LDLコレステロールや低HDLコレステロールが起こります。LDLコレステロールが高いと、血管の壁に取り込まれて動脈硬化が進行します。HDLコレステロールは、余ったコレステロールが肝臓に戻る途中のコレステロールです。これが低いと血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運べず、やはり動脈硬化が進行します。このため、LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉と呼ばれるのです。
また、食べ過ぎで余ったカロリーが肝臓で中性脂肪に変えられ、動脈硬化に関与することも解っています。また、これらの脂質異常症には遺伝によって引き起こるものもあります。家族の中に脂質異常症の方がいたり、若い時から発症することが特徴ですが、人生の中で脂質異常症に曝される期間が長いために、より重篤な合併症を伴うことが知られています。
検診で脂質異常を指摘された時に、『若い時からずーっとなんですよ』と笑っておられる方をたまにお見受けしますが、合併症の前ぶれかも知れませんよ!

いまだ先生の往診鞄 №42

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」300号
(H28.5.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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三田市在住の国民健康保険に加入される40歳以上の方は、現在、特定健康診断を無料で受けられますが、さらに詳細な人間ドックを希望する場合、左記の料金の半額が市から助成されます。但し、人間ドックの結果の一部は市へ報告されます(特定健康診断と人間ドックの両方は受けられません)。
●Aコース(8500円)
身体計測+尿検査+血圧+心電図+胸部レントゲン+血液検査+便検査(約1時間)
●Bコース(1万1500円)
Aコース+腹部エコー+骨年齢測定+肺年齢測定+血管年齢測定(約1時間30分)
●Cコース(2万1500円)
Bコース+胃カメラ(約2時間)
※各種がんスクリーニングや甲状腺、心臓等のオプション検査も追加可能です。結果は一冊の冊子となって約2週間程度でお手元に届きます。最近、体が心配だけれど、しばらく検査をしていない主婦や自営業の方、国民健康保険ではないけれど、会社の検診だけでは不安な方などはお勧めです。
希望の方は、まずは当院へお電話でご予約の上、コースの選択やオプション、市の助成につきご相談ください。

いまだ先生の往診鞄 №41

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」298号
(H28.3.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 特に冬になり気温が下がってくると、オシッコの回数が増えてくる方は比較的多いのではないでしょうか?
 頻尿の原因は男性と女性でも少し異なります。中高年以上の男性ではまず前立腺肥大症が挙げられます。オッシコの勢いが悪くなることで残尿が出現、次に膀胱がいっぱいになるまでの時間が短くなるのが頻尿の原因となります。前立腺ガンが隠れていることもありますので注意が必要です。
 女性や若年男性に多いのが、過活動膀胱です。膀胱の粘膜が敏感となり、実際には尿が溜まっていないのにトイレに行きたくなるのが原因です。特に出産後の女性では骨盤低筋の緩みを伴い、尿失禁の原因にもなることがあります。また、中高年以上の男性でも前立腺肥大症と混在する場合もあります。
 糖尿病や下腹部の手術後、脊椎損傷、中枢神経障害などにみられる神経因性膀胱も頻尿の原因となります。膀胱炎による頻尿も忘れてはいけません。
 一口に頻尿と言っても原因によって治療方法は全く異なります。原因は問診や簡単な検査により鑑別することが出来ます(出来ないこともありますが)。
 最近、頻尿で夜が眠れない、バスに乗って旅行に行けない、トイレが気になって仕事に集中出来ないなどの悩みがある方は一度是非ご相談ください。

いまだ先生の往診鞄 №40

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」296号
(H28.1.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 もうすぐ嫌な花粉症の季節がやって来ます。暖冬の影響で飛散開始時期が昨年より早い様です。当院では発売当初よりスギ花粉症に対する舌下免疫療法を開始していますが、予想されていたよりも副作用は少なく、効果はかなり期待できる様です。
 但し、この治療法は特異的免疫療法であり、スギ花粉症にしか効果はありません。ですから花粉症の原因がスギ花粉だけか、スギ花粉が主の人にしか適応にはなりません。また、治療期間が3年以上にわたることも念頭に置いて頂かなければなりません。また、治療を受けて頂いた方全員に効果が期待できる訳ではありません。また、この治療はスギ花粉シーズンには開始できません。但し、長い治療の後にスギ花粉症が完治する場合があります。これが他の治療法と比較して大きく異なる点です。
 スギ花粉以外にもヒノキ花粉症やイネ科花粉症もあるよという方にはやはり抗ヒスタミン薬による治療が基本になります。非常に効果がありますが、眠くなったり作業効率が落ちることが欠点です。そんな場合は抗ヒスタミン薬を使わずに、漢方、抗LT薬、点鼻薬などを組み合わせることもできます。注射による非特異的免疫療法という方法もあります。週1回の皮下注射を計6回行います。
 また、当院では新しく発売となったダニアレルギーに対する舌下免疫療法も開始しています。是非一度ご相談ください。

「往診鞄 №39」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」294号
(H27.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 今年のインフルエンザワクチンは去年より値段が上がったなと感じておられる方々も多いと思います。昨年までのワクチンは3種類のウイルスをターゲットにしていましたが、今年からは4種類に増やしているのがその原因です。
 最近はインフルエンザの流行時期が広範となり、接種時期については迷うところですが、やはりピークは12月から2月であり、接種から効果が出るまでに2週間かかることを考えると、11月辺りがベストでしょう。また、12歳以下の子供さんは原則2回接種ですので、中4週間を逆算すると1回目の接種は10月がベストとなります。重要なイベントを控えている方は、それに照準を合わせるのも一つの考え方です。
 因みにインフルエンザ予防接種の効力は約5ヵ月持続すると言われています。また、インフルエンザが重症化しやすいのはお年寄りです。三田市では10/15より65歳以上の方への接種の助成が始まっています。ぜひご利用頂きたいと思います。また、65歳以上の方はインフルエンザとの混合感染による肺炎にも気をつけなければなりません。肺炎球菌ワクチンの併用は非常に有効です。
 最後に、ワクチンの効果は100%ではありません。接種後にかかる方もいらっしゃいます。仮にかかっても、重症化する率は低くなるのは間違いありません。当院ではなるべく多くの患者さまに接種戴けるように考えております。是非お問い合わせ下さい。

「往診鞄 №38」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」292号
(H27.9.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 当院ではマンモグラフィーや触診の乳がん検診で異常を疑われた方、御自分で異常に気づいて受診された方等に積極的に乳腺エコーを行っています。特に40歳代半ばまでの方は、おっぱいがしっかりしている方が多く、マンモグラフィーで無理に挟んで撮影するよりもエコーの方が乳がん検出率は優れています。また、50歳代以上の方でも、非常に小さなしこりなどに対してはエコーでなければわからないことも多いです。
 一部の乳腺腫瘍は小さな石灰化(固くなった組織)を伴うことが特徴とされていますが、これに対してはマンモグラフィーの方がよくわかります。しかし、最近の乳腺エコーには①造影剤を使いながら検査を行ったり、②エラストグラフィーといってしこりの固さをエコーが判断してくれたりと、乳がんの診断能力は数年前と比べて飛躍的に上がっています。
 撮影できる患者さまの数が限られるマンモグラフィーと異なり、エコーは心配なときにすぐに、絶食等なく受けることが出来ます。また、被曝もありませんので、心配なしこりに対して短い間隔で再検査を受けて頂くことも可能です。もちろん当院では心配なしこりに対して細胞診や針生検を行っており、必要に応じて専門機関へ紹介させて頂きます。被曝が嫌な方、おっぱいを挟まれるのが痛かった方など、当院では乳腺専門の女性超音波技師(予約)が担当させて頂きます。

「往診鞄 №37」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」290号
(H27.7.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 通常は1日に1から2回の排便がありますが、2~3日排便がなくても本人がつらくなければ便秘とは言いません。逆に毎日排便があってもすっきりせず、お腹がはるなどの場合は便秘と言えます。
 便秘には大きく『機能性便秘』と『器質性便秘』(腸の病気によるもの)に分かれます。ほとんどは機能性便秘ですが、稀に潜む器質性便秘、特に大腸がんなどを見逃してはなりません。
 機能性便秘はさらに『弛緩性便秘』『痙攣性便秘』『直腸性便秘』に分類されます。痙攣性便秘はいわゆる便秘型過敏性腸症候群であり、精神的なことや自律神経失調が原因であることが多いです。直腸型便秘は特に高齢の方で便を出す力が弱り、直腸に便が溜まってしまう状態です。最後に一番多いのが弛緩性便秘です。
 原因としては、不規則な食事や生活、線維・ビタミン・水分・脂質の摂取不足、下剤の使い過ぎ、仕事や習慣で便意のある時にトイレに行けない等があります。
 対処方法としては、規則正しい生活や排便習慣、適度な線維・ビタミン・水分・脂質の摂取はもちろんのこと、適度な糖質や香辛料なども排便を促します。また、それだけではなく状態にあった下剤や腸管運動促進剤を使うことが大切なことは言うまでもありません。