くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」268号
(H25.9.1発行)に掲載した記事をご紹介します。
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背中が痛いという経験をした方はたくさんいらっしゃるのではないかと思います。一般的には脊椎(頚椎や胸椎)、肩関節、腰背部筋などの整形外科的なものであることが多いのですが、その中には内臓やその他の原因であることもあります。まずは、膵炎が有名ですが、油物やアルコールの摂取後に起こる、放散痛と呼ばれる上背部痛が知られています。大酒家や大食家の方は特に注意が必要です。肝臓疾患や膵癌でも同様の背部痛が現れることがあります。また、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は前胸部痛が起こることで有名ですが、初めの症状として背部痛を訴える方もいらっしゃいます。大動脈が少しずつ裂ける解離性大動脈瘤での背部痛もまた有名です。どちらも高血圧や生活習慣病などのある方は念頭においておかなくてはいけません。泌尿器科系の疾患としては、腎結石や尿管結石、進行腎臓癌なども背部痛で有名ですが、痛みの位置がやや低くて左右差があり、時折血尿などを認めることが特徴です。稀には肺炎や肺の一部が破れる気胸、皮疹が出現する前の帯状疱疹なども忘れてはなりません。背部痛がなかなか治らずに整形外科を受診しても特に原因がわからないような場合には一度内科的な検査も必要かもしれませんね。