往診鞄№25 「禁煙外来」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」266号

(H25.7.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

 

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 

喫煙者の方は喫煙しないと禁断症状を伴うニコチン依存症という病態です。

ですから1箱400円を超えた現在でも、高いと分かっていて吸ってしまいます。タバコに含まれているニコチンへの依存を克服しなければ、喫煙との決別は困難です。最近、新しい内服薬による治療方法により禁煙の成功率は高まってきました。喫煙者にはニコチンとくっつくニコチン受容体という物質が発生します。ニコチン受容体は空になるとニコチンが欲しくなり、ニコチンとくっつくと満足感を得ます。新しい内服薬はニコチンではないのに、この受容体とくっつくことでニコチンへの欲望を無くします。

決められた条件を満たせば保険適応で新しい内服薬による禁煙外来を受診することができます。治療内容は12週間、アドバイスに従って2週間に一度受診。費用負担は3割負担として、薬代を含めて5千円強/月。3ヶ月で1万5千円強です。10本/日以上喫煙する人であれば、銘柄にもよりますが、タバコにかかる費用と同等あるいは安い金額となります。もし成功すればその後の費用対効果は計算できません。成功率はニコチンパッチと比べて高く、60%から70%と言われています。

初めて禁煙を決意された方、何度も失敗している方、とりあえず相談して下さい。