くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」262号(H25.3.1発行)に掲載した記事をご紹介します。
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過活動膀胱とは男女問わず、頻尿や尿意切迫感、切迫性尿失禁をきたす病気です。尿意切迫感とは急に尿意をもよおしてがまんできない。切迫性尿失禁とは我慢できずに漏れてしまうことです。実は40歳以上の8人に1人が、過活動性膀胱があることがわかってきました。男性の場合、前立腺肥大症が併存する場合があります。原因としては神経因性過活動膀胱(脳や脊髄の障害)、非神経因性過活動膀胱(前立腺肥大症や骨盤低筋の障害、その他)に分けられます。治療方法としては行動療法や薬物療法があります。行動療法には頻尿に対する膀胱訓練・・尿意を我慢する訓練を、短い時間から始めて少しずつ時間を延ばしていきます。切迫性尿失禁に対しては骨盤低筋体操・・肛門を閉めたり緩めたりを繰り返し、徐々に時間を延ばしていきます。他には下半身を冷やさない、便秘やアルコール、カフェインを避ける等が挙げられます。ただし、前立腺肥大のある方はまず前立腺肥大の治療を行い、効果不十分のときに過活動膀胱の治療を考えるべきです。場合によってはいきなりの膀胱訓練は前立腺肥大の症状を悪化させることもあります。また、薬物療法はこれまで抗コリン作動薬が中心でしたが、新たにβ3刺激薬が治療の選択肢に加わり、治療に少しはばが広がりました。まだまだ寒い日が続きますが、思い当たる方は一度相談してみて下さいね!