往診鞄№21 「便秘には種類があるって知ってましたか?」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」258号(H24.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 便秘には種類があるって知ってましたか?最も多い弛緩性便秘、直腸に問題のある直腸性便秘、ストレス等が原因の痙攣性便秘、その混合型などがあります。どんなタイプでも共通の解決策としてトイレに行く時間を決める、水分をしっかり摂る、善玉菌を増やす、食物繊維を摂るなどがありますが、それでも効果の出ない場合、タイプによる原因にあった薬剤の選択が必要です。弛緩性便秘は大腸全体の運動と緊張が低下して、便の通過がゆっくりになり、水分の過吸収により起こります。非水溶性の食物繊維(コンニャクや海藻類)や酸化マグネシウム、大腸を刺激する少量の漢方などが有効です。直腸性便秘は、トイレを我慢したり、食事を不規則に摂ったり、便秘薬を不用意に常習したりが原因となって主に直腸に便が溜まります。生活習慣を改善することは言うまでもありませんが、一般的な刺激性の下剤は逆効果になることも多いです。酸化マグネシウムや排便を促す座薬などは比較的効果があります。ストレスによる痙攣性便秘は便秘型の過敏性腸症候群の一症状と考えられ、自律神経に作用する薬が適しています。また、一般的にはセンナ系の下剤は良く効くために多く使われていますが、長期的には耐性や薬剤による便秘の可能性があります。悩まれている方はご相談下さいね。